
バスやタクシーなど、人を乗せて運転する仕事を目指すには「二種免許」が必要です。この免許は、一種免許よりも高い技術と責任が求められます。この記事では、二種免許とは何か、どのように取得するのか、費用や取得にかかる期間などを詳しく解説します。本記事を参考に、ぜひ二種免許の取得を成功させてください。
CONTENTS
二種免許とは
二種免許は、お客さんを乗せて運転する仕事に就くための資格です。タクシーやバス、運転代行といった職業運転に必要な免許で、安全運転や責任ある対応が求められるため、一種免許よりも取得難度は高めです。
一種免許との違い
一種免許は、自家用車や業務車両を運転する際に必要な免許で、多くの人がまず取得するのがこちらです。一方で、二種免許は「旅客を運ぶこと」を目的としているため、運転技術に加えて人命を守る知識や判断力が重視されます。
また、学科・技能試験のレベルも一種免許より難しく設定されています。タクシーや路線バス、観光バスなどは旅客運送業にあたるため、二種免許が必須です。
二種免許には「普通二種」「中型二種」「大型二種」「大型特殊二種」「けん引二種」などがあり、運転できる車両の大きさや用途に応じて種類が分かれています。取得には、事前に一種免許を持っている必要がある点も特徴です。
二種免許の取得方法
二種免許を取得するためには、いくつかの条件を満たした上で学科試験や技能試験に合格しなければなりません。
取得のための条件
まず、二種免許を取得するには、以下の3つの条件をクリアする必要があります。
・満19歳以上であること
・一種免許を取得してから1年以上が経過していること
・視力、聴力、深視力などが所定の基準を満たしていること
視力の条件は、矯正視力を含めて片目それぞれ0.5以上、両目で0.8以上が必要です。そして、深視力(遠近感や立体感を測る力)は3回の検査で誤差が平均2cm以内であることが求められます。
とくに注意が必要なのは、一種免許取得後1年が経過していない場合、二種免許を受験できない点です。免許の取り消しがあった場合は、無免許の期間を除いた期間で1年を計算します。
無免許のままいきなり二種免許にチャレンジすることはできないため、必ず一種免許を取得してからのステップとなります。
学科試験の内容
二種免許の学科試験は、一種免許に比べて応用的な問題が多くなっています。問題数は95問で、合格には90点以上が必要です。
普通二種の場合でも、大型やけん引などに関する知識も出題されることがあり、幅広い内容の理解が求められます。試験範囲は一種免許と重なる部分もありますが、細かい法令や実務的な知識について深く問われる点が特徴です。
とくに、安全確認や緊急時の対応といった内容は、旅客運送における重要なポイントとして扱われます。過去問や模擬試験で繰り返し学習することが、合格への近道です。
技能試験のポイント
技能試験は、教習所内のコースと実際の道路で行われます。教習所内ではS字カーブや鋭角コース、縦列駐車や方向転換などが求められます。
加えて、路上では歩行者や他車との距離感や判断力を見られるため、慎重かつ的確な運転操作が必要です。一種免許と比べて採点が厳しいため、運転に慣れている人でも、日頃の癖や雑な動作が減点につながることがあります。
練習の段階から、安全確認の動作を確実に行うことを意識しておくと良いでしょう。
取得時講習について
試験に合格したあとは「応急救護処置講習」と「旅客者講習」の2つを受ける必要があります。応急救護処置では、心肺蘇生法や止血法などの実技を含む救命処置の訓練が行われます。
旅客者講習は、実際に人を乗せることを想定した運転や対応を学ぶ講習です。そして普通二種では、主に危険予測や高速道路での運転、乗客への配慮に関する6時間程度の講習が用意されています。すべての講習を修了して初めて免許が交付されます。
必要な費用と期間の目安
二種免許を取得する際にかかる費用や取得までの期間は、免許の種類や教習スタイル、入校する時期によって変動があります。費用とスケジュールの目安を把握しておくことで、無理のない計画を立てやすくなります。
教習にかかる料金の目安
もっとも一般的なのは、普通免許をすでに持っている人が普通二種免許を目指すケースです。この場合、教習所での取得費用はおおよそ26万円程度が基準となっています。
一方で、中型免許や大型免許を所持している人は、教習内容が一部免除されることがあり、全体の費用は24万円前後まで下がることが多いです。そして、合宿教習を選んだ場合は、時期や宿泊施設によって金額が異なります。
閑散期であれば通常より5万円ほど安くなるケースもあり、短期間で集中して取得したい人にとっては効率的な選択肢です。さらに、キャンペーン割引を活用すれば教材費や初期費用が抑えられる場合もあります。
教習料金には、車両使用料や保険、検定料などが含まれている場合が多く、追加費用が発生しないようにパック化されているプランも用意されています。事前に費用の内訳を確認し、比較検討すると安心です。
取得までにかかる期間
二種免許の取得期間は、教習所の通学プランか合宿プランかで大きく変わります。通学の場合は、仕事や予定にあわせて受講するため、2〜3か月程度かかることもあります。
一方、合宿プランであれば、10日から14日前後で免許取得が可能です。技能や学科の進み具合には個人差があるため、想定より時間がかかるケースもあります。
ただし、教習スケジュールを事前に把握しておけば、スムーズに進められるようになります。また、試験不合格時の補習や再試験にかかる追加日数や費用も考慮しておくことが大切です。
受講時期によっては混雑し、予約が取りづらくなることもあります。春休みや夏休みなどは教習所が混み合うため、スケジュールに余裕をもって申し込むようにしましょう。できるだけ希望日に受講するためには、早めの行動がカギとなります。
キャンペーンや割引制度
教習所によっては、特定の時期に入所キャンペーンを実施しており、初回の講習料が割引される場合や、教材費が無料になるケースもあります。また、車両使用料や保険料がすべて料金に含まれているパックプランもあるため、事前に公式サイトや資料請求で詳細を確認すると安心です。
料金は地域差もあるため、いくつかの教習所を比較したうえで、通いやすさや実績もあわせて検討するのがポイントです。さらに、分割払いに対応している教習所も増えているので、支払い方法に不安がある場合も柔軟に相談できる体制が整っています。
まとめ
二種免許の取得は、旅客運送のプロとして働くための第一歩です。満19歳以上で視力・聴力などの条件を満たし、一種免許を取得してから1年以上が経過している必要があります。学科・技能試験はやや難易度が高く、とくに応用問題や判断力が問われる点が特徴です。教習所や合宿免許を利用すれば、無理なく取得を目指すことができ、費用も約24万~26万円が目安となります。講習内容や料金体系は教習所によって異なるため、事前にしっかりと調べておくことが大切です。人を乗せて運転するには、高い安全意識とスキルが求められます。だからこそ、正しい知識を身につけ、自信を持って運転できるように準備を整えましょう。安全第一で、信頼されるドライバーを目指してください。